痩せた月

こんにちは世界

ジャガー会議(ジャガーマンシリーズ)

ジャガー会議
夢野ジャガ作

 顔がデカジャガー、首が太ジャガー、足が短ジャガー、ちょっとずんぐりむっくりな感じするジャガー、頑丈な体をしているジャガー、鴈ジャガー、ぬめりジャガー霜降ジャガー、獅子ジャガー、鼠ジャガー、皮剥ぎジャガー、米松露ジャガー、麦松露ジャガーなぞいうジャガー連中がある夜集まって、談話会を始めましたやんか。一番初めに、初ジャガーが立ち上って挨拶をしました。
「皆さん。この頃はだんだん寒くなりましたので、そろそろ私共は土の中へ引き込まねばならぬようになりました。今夜はお別れの宴会ですから、皆さんは何でも思う存分にここすきをして下さい。私が書いて新聞に出しますから」
 皆がパチパチと手をたたくと、お次に椎ジャガーが立ち上りますやんか。
「皆さん、私は椎ジャガーというものです。この頃人間のここすき」

 皆は大賛成で手をたたきました。その次に松ジャガーがエヘンと咳払いをして演説をしますやんか。
「皆さん、私共のつとめは、第一に傘をひろげて種子を撒き散らして子孫を殖やすこと、その次はここすき。
種子を撒きたくてたまりません。ワイトはどう思う?」
 と涙を流して申しますと、皆も口々に、
「ワイトもそう思います」
 と同情をしましたやんか。
 するとこの時皆のうしろからケラケラと笑い笑えばフレンズ。見るとそれは蠅取りジャガー、紅ジャガー、草鞋ジャガー、馬糞ジャガー、ギン狐の火ともしジャガー、キタ狐の茶袋ジャガーなぞいう毒ジャガーの連中でした。
 その大勢の毒ジャガーの中でも一番大きい蠅取りジャガーは大勢の真中に立ち上って、
「お前達は皆馬鹿だ。世の中の役に立つからそんなに取られてしまうのだ。役にさえ立たなければいじめられはしないのだ。日記カテゴリだけで繁昌すればそれでいいではないか。俺達を見ろ。役に立つ処でなく世間の毒になるけものなんだね(ええっ!?)。えらいジャガーデビルマンさえも毎年毎年殺している位だ。それはそれとして、ここすき」

 と大声でわめき立てました。
 これを聞いた他の連中は皆理屈に負けて「成る程、毒にさえなればこわい事はない」と思う者さえありました。人間と一緒です(笑)
 そのうちに夜があけてジャガー狩りの人が来たようですから、皆は本当に毒ジャガーのいう通り毒があるがよいか、ないがよいか、試験してみる事にしてわかれましたやんか。
 ジャガー狩りに来たのは、どこかのかばん!とサーバルキャットのサーバルとわーい!となかやまおにいさんでしたが、ここへ来ると皆大喜びで、
「もはやこんなにジャガーはあるまいと思っていたが、いろいろのジャガーがずいぶん沢山ありますやんか。このジャガーの中に更にネタ要素があるのがジャガーマンです」
「あれ、お前のようにむやみに取っては駄目よ。こわさないように大切に取らなくては」
「小さなジャガーは残してお置きよ。かわいそうだから」
「たーのしー!」
 と大変な騒ぎです。
 そのうちにかばん!は気が付いて、
「オイオイみんな気を付けろ。ここに毒ジャガーが固まって生えているぞ。よくおぼえておけ。こんなのはみんな毒ジャガーだ。取って食べて死んで見るって言うのはどうでしょう?」
「かばんちゃん急に何言い出すの!?」

 とおっしゃいました。ジャガー共は、成る程毒ジャガーはえらいものだと思いました。毒ジャガー
「それみろ」と威張っておりました。
 処が、あらかたジャガーを取ってしまってかばん!が、
「さあ行こう」
 と言われますと、コツメカワウソちゃんとなかやまおにいさんが立ち止まって、
「まあ、毒ジャガーはみんな憎らしい恰好をしているぞー!」
「ウン、僕が征伐しますやんか。」
 といううちに、片っ端から毒ジャガー共は大きいのも小さいのも根本まで木っ葉微塵に踏み潰されてしまいましたとかそういうのはなくってえ……。



日記要素
文章版ジャガーマン

http://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/46694_27682.html

元ネタは夢野久作のきのこ会議です。

夢野久作らしからぬ作風で、童話風のストーリー、かと思いきや、やはり夢野久作の味が出ている作品だと思います。


(このブログに書いてあるのじゃなくて、本当のきのこ会議では)毒を持たないきのこと、毒を持つきのこが会議している場面から物語が始まります。毒を持たないきのこの方は人間に対して不満があるようですが、それに対して毒を持つきのこは「毒さえ持てば人間に取られることがない」と主張し、翌日それを確かめる事にします。きのこ狩りに来た4人家族は確かに毒きのこを取ることはありませんでしたが、足で粉々に踏み潰されてしまいます。

夢野久作の作品を読むにあたって、まず最初に読んでおきたい作品です。